精神科病院に夜間救急で運ばれてくる患者さんの色々

看護師ブログ

3.拒食症の患者さん

こんにちは!みかんです。今回は夜間救急で運ばれてきた拒食症の患者さんのお話を書きます。

その患者さんは私の勤める病院は初見の患者さんでした。24歳の女性で、救急搬送されてきた時は明らかに衰弱した感じでグッタリしており、見るからにガリガリに痩せていました。意識はあったのですが活気もなくて、か細い声で喋るのがやっとな感じでした。Drの指示ですぐに点滴を始めました。入院時の体重はなんと28kg。成人女性ではちょっと考えられない体重です。28kgって、小学生の時以来ないよ!と、ビックリしました。

付き添ってきていたのはその女性(Mさんとします)のお母さんでした。お母さんに色々お話を伺ったのですが、一緒に住んでいたのにいつからこのような状態なのかとか、全然わからないといった感じでした。一緒に住んではいるけど食事は別々で、Mさんはほとんど自分の部屋で過ごしていたそうです。顔も時々しか合わさないから、「なんか痩せた?」と思ってMさんに聞いても「大丈夫」とだけ返事があり、それ以上の会話も関わりもなかったそうです。

私の病院に搬送されてきた夜は、Mさんがトイレから出たあとに廊下でうずくまっているのをお母さんが発見し、救急車を呼んだそうです。診断名は摂食障害(拒食症)です。低体重・低栄養もひどく、しばらく入院治療が必要な状態でした。

でも大変だったのはここからです。夜間に運ばれてきた時はフラフラだったので点滴もスムーズに行えたのですが、少し元気を取り戻してきてから点滴の拒否をしだし、勝手に点滴を自己抜針したりするのです。食事は最初から一切食べようとしませんし薬も当然拒薬するので、薬が入らないためなかなか精神状態も安定しませんし、栄養状態の改善も難しく、体重もなかなか増えませんでした。Mチューブ(マーゲンチューブ)を挿入して四肢を拘束し、そこから薬と栄養を注入する手段をとりました。

Mチューブ(マーゲンチューブ):鼻から胃内に挿入するチューブのこと

それでも上手に身体を曲げ、縛られている手でMチューブを抜いたりするので本当に困りました。「ごはんはイヤ!太る!!何もしないでください!!」と叫ばれ、治療拒否が続きました。「病院なんで、何もしないわけにはいかないんです」となだめたりし、お母さんに付き添ってもらったりもして、何とか治療を継続させました。

しばらくして精神薬の効果が出てきたのか、拒否がなくなってきました。薬も栄養もしっかり入るようになったおかげで、28kgだった体重が34kgまで増えました。「精神薬、本当にすごいな」と、いつも感心します。そうしてMチューブからの経鼻栄養から普通の食事になって、少しずつですが自分で食べられるようになったのですが、再び拒食が始まってしまいました。

主治医のDrが言っていたんですが、精神薬を少しづつ減量して様子を見ていたのですが、コントロールが上手くいかなくて、あのように拒食症状が再燃してしまったようなんです。当初飲んでいた精神薬より半分の量まで減らせていたのですが、精神状態が悪くなってしまったので再び薬の量を増やすことにしたそうです。ですが、今回はいくら薬の量を増やしても拒食症状は良くなりませんでした。34kgまで増えていた体重が24kgまで減ってしまいました。入院時より減っています。

普通、精神科薬はそうそう減らさないものだと他の精神科のDrが言っていましたが、私はDrではないのでどちらが正しいのかは正直わかりません。看護師はDrの指示で動きますが、でも明らかにDrの判断が間違っているなと思えば看護師だって意見することはありますが、プライドの高いDrもいますので、私は滅多なことは言わないように心がけています。(笑)

主治医の先生が大学時代の先輩に相談をし、拒食症の専門医がいる病院へMさんは転院することになりました。Mさんは私たち看護師に「お世話になりました」と言ってくれました。入院当初はなかなか心を開いてくれなかったMさんでしたが、慣れてきてからは自分の話をよくしてくれていました。

学生時代に太っていることを男の子にからかわれて辛かったこと、物を口にすると全てが身になってしまいそうで怖い、ガリガリだと言われることが嬉しい、親とはうまくいっていなくてほとんど口を利かないなど色々なことを話してくれていました。

転院すると決まった時に、私は「元気でね」としか言ってあげることができませんでした。私の勤める病院は個人病院で規模が小さいので、このように重度の精神病の患者さんや、治療してもなかなか改善が見込めない患者さんは規模の大きい精神科の病院に転院することがあります。転院して、これを機に病状が良くなれば良いなと思いながらMさんを送り出しました。

今回のお話はこれで終わります。次回もよろしくお願いいたします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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