精神科病院に夜間救急で運ばれてくる患者さんの色々

看護師ブログ

1.アルコール依存症の患者さん

ある日の夜勤中、市の消防隊から電話がかかってきました。「男性58歳、以前アルコール依存症で通院歴あり。現在意識錯乱状態で知人から通報があった方を受けてほしい」との内容でした。精神科のない病院では、夜間救急対応している病院でも受けてもらえないことがあり、時々ですがこのような電話がかかってきます。もちろん院長の許可がないと受け入れれないので、まず院長に報告し、受け入れ許可が下りてからベッドの準備にすぐとりかかりました。「意識錯乱って言っていたから、きっと大変な人が来るんだろうな」と覚悟しつつベッドを作りました。(笑)

間もなくして、救急隊と警察と一緒にその男性が運ばれてきました。運ばれてきた時は比較的おとなしかったのですが、ベッドにその患者さんを寝かせ、点滴をしようとした時です。いきなりスイッチが入ったかのように大暴れし始めました。ベッドから落ちそうになるくらいのいきおいでドタバタとです。何を言っているのかさっぱりわかりませんが、なんか大声で叫んでもいます。たぶん、泥酔状態です。その日の夜勤は私とたまたま男性の看護師さんだったので助かりましたが、ひどい暴れようで男性看護師さんが馬乗りになっても私と二人では抑えきれず、看護助手の二人を呼んで計4人でなんとかベッドに拘束することができました。

*身体拘束は、精神保健指定医の許可がないとできません。興奮などで患者さん本人やスタッフに危険が伴う場合などに行います。

女性しかいない夜勤で救急の受け入れ要請があった場合は、他の病棟の男性スタッフに応援を頼んだりもします。このように暴れたりする患者さんを女性だけではどうすることもできませんので、応援にきてもらうのです。

それからしばらく経ってアルコールが抜けてきたのか、その患者さんは正気に戻ってきました。「ここはどこ?」と、自分が救急車で運ばれてきたことがわかっていなかったので、説明をしました。「迷惑かけてすみません」と、申し訳なさそうに言っていました。「いつ帰れる?」と聞いてきたのですが、当然ここからはアルコール依存症の治療が始まるので、すぐに退院できるわけではないということを伝えました。

アルコール依存症では、アルコールが抜けてくると離脱症状というものが出てきます。どんな症状かというと、幻覚や幻聴、手のしびれ、発汗などです。アルコールが飲めなくてイライラしたり、とにかく患者さんはアルコールに依存しているわけですから、飲みたくてたまらないので、それを我慢するわけですからイライラもします。不安になって眠れなくなったりもします。この精神依存から脱出しないといけないので、がんばって断酒しないといけません。でも家にいるとつい飲んでしまうので、入院して断酒治療するのが良いのです。

良くなって退院したあとも、通院はしないといけません。退院した途端にお酒を再開して、何度も入退院を繰り返す人もいます。合併症も内臓系、精神疾患系とありますので、なかなか大変な病気だと思います。

今回のこの患者さんは、なんとか無事に退院することができました。3ヵ月くらい入院していたと思います。退院後、しばらく通院もきちんとしていたようですが、外来にそのうち来なくなってしまったそうです。私は病棟勤務なので、退院した患者さんがその後どうなっているかは風のうわさでしか知ることはないし、外来に来なくなってしまったら、もう本当にそれ以上はわかりません。「また戻って来なければいいけどなあ・・・。」と、思うくらいです。

こんな感じで、夜間の救急対応はなかなか大変なものです。他にも色々な患者さんが運ばれてきます。決まって、夜間の方が救急で運ばれてくることが多いです。精神科の夜勤は本当に大変ですが、そんな患者さんたちが元気になって退院していく姿を見ると、「がんばって良かった!」と嬉しくなります。やりがいのある仕事ですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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