精神科病棟勤務中に起こった出来事

看護師ブログ

患者さん窒息その2

こんにちは!みかんです。今回も前回同様、患者さんの窒息事故の事例を書いていきます。私の体験談です。前回書いたお話と似たような内容なんですが、これも私が実際に体験したことなので書こうと思いました。

夜勤だった翌朝(夜勤明け)、患者さんの朝食が終わって30分くらい経った時に、別の病棟から電話が入りました。「今から患者さんを一人受けてほしいんですが、お願いできますか!」との内容でした。私のいる病棟は急性期の患者さんも看ているので、他の病棟で急変があった場合もこういった連絡が入ってきます。精神科開放病棟なんですが、もっとくわしく言うと、「身体合併型病棟」です。他の病棟は精神科閉鎖病棟、療養型とか介護病棟だったりするので、急変の対応はほとんど私のいる病棟になります。

身体合併型病棟:精神疾患があり、かつ身体疾患も合併している方が入院して治療を受ける病棟。興奮や疎通不良などの精神症状のため、一般診療科では対応困難な患者さんに対し、救急対応を含めた医療を行う病棟。

間もなくして、ストレッチャーに乗った患者さんを他病棟の看護師さんが連れてきました。もちろん意識レベルも落ちており、呼吸も浅く、その患者さんは今にも止まりそうな呼吸をしていました。そんな浅い呼吸状態だから全身に酸素も入らず、末梢は冷たくてチアノーゼもきていました。

チアノーゼ:口唇や四肢末梢などの皮膚や粘膜が青紫色になる状態のこと。チアノーゼが見られた場合は、低酸素血症もしくは末梢循環不全が考えられる。末梢動脈血中のヘモグロビンのうち、還元型ヘモグロビンが5g/dL以上になると出現する。

すぐに心電図モニターを装着し、心肺蘇生の準備、ルート(点滴を入れる血管)確保しました。こういう時の患者さんは血流が悪いので、血管がなかなか確保しづらくて大変です。

他病棟の看護師さんから詳細を聞きました。どうやら朝食に付いていたデザートのみかんを丸ごと飲み込もうとして、喉に詰まって倒れている所を発見したようです。みかん丸ごと一個いくとか、普通では考えられないのですが・・・。精神科の患者さんや認知症の患者さんにはよくある出来事です。

みかんをすぐに取り除いたら、かすかに自発呼吸があり、すぐに酸素吸入を始めたそうです。ですが、意識は戻らないままで、すぐにDrを呼びうちの病棟にということになったそうです。

その患者さんはなんとか一命はとりとめましたが、意識は戻りません。酸素吸入でなんとか下がっていたSpO2値(血中酸素濃度)も上がり、末梢のチアノーゼも消えていましたが、窒息して呼吸停止して脳に酸素が行かなかった時間が長くて、「低酸素脳症になっている」とのことでした。意識のないまま、ただ呼吸をしているだけの状態です。植物状態になってしまいました。朝の出来事でしたから、日勤のスタッフが来てもまだバタバタしていて、この日はかなりの残業でへとへとになったのを思い出しました。(笑)

窒息事故などで脳に十分な酸素が行かなくなってから、約5分で低酸素脳症になってしまいます。脳細胞に酸素がいかないと、脳細胞が死に、重たい後遺症が残ってしまうのです。

みかんを丸ごと詰まらせた患者さんはその後、けいれん発作を繰り返し、肺炎を併発して約一か月後に亡くなりました。

窒息事故、こういったことがあるたびに本当に怖いなと思います。ほとんどの方が何かを詰まらせたりすると、助かっていないような気がします。すごくタイミング良くその場にいても、詰まらせた患者さんを5分以内に助けるってなかなか難しいです。助かったとしても、このみかんの患者さんのように植物状態になってしまったり・・・。

看護師を始め何度か経験した窒息事故ですが、いつも「もう少し早ければ」と、もどかしい思いになります。

今回はこのへんで終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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